5分でわかるPL!「損益計算書とは」【week16】

レストランやカフェに行った時「この店儲かっているな」と感覚的に思ったことは一度はあるのではないでしょうか。お店が混雑していたり、広告でよく目にしたりすると感覚的に「儲かっているなじゃないか」と思うことはありますよね。しかし、この感覚はビジネスの中では信用してはいけません。数字で論理的に証明していくことが必要です。

財務スキルとは「ここで商売をすれば儲かるかな」「こんなサービスを出せば儲かるかな」と言ったことを数字で証明していくことです。イメージや感覚ではなく数字に落とし込んでいくことを言います。

この財務の指標となっていくものが損益計算書(PL)、賃借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)というものです。

PLとは、1年間でいくら利益を出したのかの計算書。BSとは、期末時点で会社にあるお金の状態を表すもの。CFとは、会社が何にお金を使っているのかお金の流れを表すものです。

このPLとBSとCFを自分で読解できて、さらに作成できるようになる必要があります。自社の経営状況を数字化して理解することができるようになり、更に他社の経営状況も把握できて投資する時にも役立っていきます。

今回はPLがどんなものなのかの理解をしていきます。

損益計算書(PL)

PLとは下記のような表のことです。聞き馴染みのない言葉が多いですよね。

損益計算書

この表をわかりやすくするとこのようになります。

損益計算書

右側の青いところが会社に入ってくるお金で「収益」です。そして左側の赤いところが会社から出ていくお金で「費用」です。収益から費用を引いて残ったお金が黄色のところの会社の「利益」となります。

損益計算書とは収益と費用を比べてどれだけ利益を出したか(損益が出ているか)を把握するための表なのです。特定の期間における会社の成績表です。

PLには聞き馴染みのない以下のような利益が書いてあります。

  • 営業総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引前当期純利益
  • 当期純利益

この利益の種類を1つ1つ理解していきます。

その前に、下記の3つのPLを見て考えてみてください。

損益計算書

この3つの中で「資生堂」の会社のPLがどれだかわかりますか?これはもちろん、分からない人が多いかと思います。

この記事を読んだ後には、どれが「資生堂」のPLかがわかるようになりPLを読解できるようになります。PLを読解できるようになりましょう!

売上総利益

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いて算出されて本業の収益のことです。

売上総利益

カフェの場合、飲食店なのでコーヒーや食事を売ってその対価にお金を払ってもらったものが売上になります。コーヒーや食材の原価が売上原価、そして売上と売上原価の差分が売上総利益です。

原価50円のコーヒーを100円で売ったらその売上総利益は50円となります。

営業利益

営業利益とは、売上総利益から販売人一般管理費(販管費)を差し引いて算出されたものです。

営業利益

コーヒーを売るためには店員や店舗や広告が必要です。その時に生じる人件費、家賃、広告費などが販管費になります。商品を販売するための間接的なコストのことを販管費と言います。

売上総利益からさらに販管費を引いたものが営業利益になります。

経常利益

経常利益とは、本業で得た利益に、本業以外で獲得した利益と費用を加算して算出したものです。

経常利益

カフェであれば営業時間外にイベントスペースとして店舗を貸したり、バリスタの研修としてレッスンをしたりすることもあります。その時に発生する収益や費用を加えて算出したものが経常利益になります。

イベントスペースの賃料、レッスン料、株の売買、ゲスト講師のギャラなどが本業以外の収益や費用に当たります。継続的に入ったり出ていくお金のことです。

税引前当期純利益

税引前当期純利益とは、当期に発生した全ての事象を加味した利益のことです。

税引前当期純利益

経常利益の継続的な収支とは別に、単発的突発的に発生する収支を加味した利益になります。キッチンなどの設備の故障による修理費、一部店舗の売却による収益などがこれに当たります。

当期純利益

当期純利益とは、税引前当期純利益から税金を引いて残った利益のことです。

当期純利益

この当期純利益が会社の手元に残る純粋な利益となります。

PLを読み解く

記事の冒頭で言っていた「資生堂」のPLがどれなのか改めて考えてみましょう。

PL

まず資生堂の会社のイメージを考えてみます。

資生堂

・化粧品の原価って安いって聞いたな

化粧品の原価が安いということは売上原価が安いということなので③はここで資生堂ではないのだとわかります。

PL

・全国のデパートに店舗があるな

・CMで女優が多く宣伝してるよな

デパートにお店を構えるには、お金がかかるし人件費もかかることがわかります。さらに有名な女優をCMで起用していると出演料も莫大にかかるので販管費は多くかかっているのではないかと予測を立てられます。

PL

・メーカーの利益率ってこんなに高い?

有名な女優も使って販管費も多くかかるのに利益が50%近くも残るのかと考えれば、①ではないことがわかります。

PL

このようにして考えていくと「資生堂」のPLが②だということがわかります。

PL

ちなみに①は「Facebook」で③が「チケットぴあ」でした。

PL

業種によって、IT系の企業だと利益が50%くらいで、転売のような形態になると利益が出にくいなどといったことがわかると、PLがより理解できるようになってきます。

PLは投資や株の売買の指標の1つとしても見ることができるので、読解できるようになると良いことばかりです。

実際にPLに数字を当てはめてみる

最後に、簡単に数字を当てはめて実際に損益計算書と照らし合わせて考えていきます。

損益計算書

難しそうな言葉が多く並んでいますが、利益の種類やその意味を理解できれば簡単です。

PLを理解して自社や他社の経営状況を把握できるようになりましょう。

まとめ

・損益計算書(PL)とは特定の期間における会社の成績表
・PLを読解できると自社や他社の経営状況を把握することができる
・売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益をそれぞれ理解する

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