ターゲットで顧客を絞るな!正しいターゲット法【2学期week4】

今回はセグメントとターゲティングの徹底理解をしていきます。この2つの言葉を聞いたことはありますが、理解している人は少ないと言われています。

これらを学ぶことで次のような効果があります。

  • ビジネスの勝率が上がる
  • ビジネスの軌道修正の方法が容易になる
  • 利益の最大化ができる

とにかくチャレンジするよりも、しっかりと分析を行った上でチャレンジする方が効率的です。消去法で模索をしていると時間と手間がかかってしまいます。そこでセグメントとターゲティングを理解をして施策を打つことでで勝率が上がると言われています。

また、うまくいかなった時の軌道修正も感覚でなく分析に基づいて行うことで容易になります。そして、ビジネスで一番重要な利益を最大化することができます。

セグメントとは

セグメントとは市場をお客さんのニーズに合わせて分割することです。

セグメント

例えば、飲み屋の市場にはビール好きな人もいれば、日本酒好きな人もいればワイン好きな人もいれば、ウイスキー好きな人もいます。このようにニーズによって市場を分割する考え方がセグメントです。

なぜセグメントをしなくてはいけないかというと、コストを考える必要があるからです。ニーズがたくさんあるからどのニーズも満たしたいと思って、全てのお酒を用意するとすると莫大な予算が必要になります。1人ワインを飲みたい人がいるからといってワインを用意する必要はないのです。

このようなことから「〇〇専門店」といったニーズを絞った専門店がコストから考えると良いと言われています。最小限の資金で最高の効果を出すために正しいセグメントを学んでいきましょう。

正しい市場の分割方法

市場の分割は次の4つの変数に基づいて決めていきます。

市場の分割法

年齢層、地域、志向性、使用頻度などの要素から考えていきます。

人口変数

人口変数では、世帯・職業・性別・年齢などの要素を考慮していきます。

お年寄りが多い地域におしゃれなエステを出しますか?ニーズがない地域にお店を出してもうまくいくはずがありません。整体が郊外に多い理由はお年寄りが多く住んでいるからです。

地理変数

地理変数では、地域の要素を考慮していきます。

オフィス街にお米やを置いても住宅街に立ち飲み屋を置いてもお客さんは来ないですよね。地域に基づいてお店のコンセプトや品揃えを変えることが必要です。

心理変数

心理変数では、人の趣味嗜好や傾向を考慮していきます。

エコ商品を使いたい人、オーガニックのものしか食べない人、ベジタリアンなど人によって好みはバラバラです。このような趣味嗜好も考慮していきます。

男が自販機の飲み物代はケチるのに、デートのディナー代はケチらないのも心理を理解することになります。メンタルアカウンティングを重視したビジネス展開も必要です。

行動変数

行動変数では、そのサービスに何を求めているかを考慮していきます。

例えば、タクシーに乗りごごちを求める人もいればスピードを求める人もいます。毎回お店をリピートする人もいれば新しいお店を開拓する人もいます。

これら4つを考慮しながら市場を区切ることをセグメントと言います。

ターゲットとは顧客を絞ること?

「ターゲット」という言葉があり、セグメントで分割したあとに「ターゲットを絞る」という考え方が一般に認知されています。

美容室の例で言うと、カットのニーズにセグメントした後に「どんな顧客」を狙うかで「年齢・性別・年収・住居」などを絞っていくようなことです。

ターゲット

しかし、このターゲットの概念は取っ払う必要があります。セグメントでニーズで区分した後にさらに「ターゲットを絞る」というのは無意味なことなのです。

ターゲット

このような考え方で顧客を絞ってビジネスをしていくことは「消去法」であり、市場規模がいくらかなんていう考え方は古く、あまり意味のないことだと言われています。

ターゲット

正しい「ターゲット」の認識とは、セグメント区分を選ぶ根拠を示すための要素です。セグメントとターゲットの正しい関係をしっかりと学んでいきましょう。

正しいターゲットの考え方

正しいターゲットを考えていきます。美容院市場の場合、「カット」というセグメントの根拠を示すのがターゲットです。仮説立てと検証によって考えていきます。

ターゲット

カット市場に対する人々の「不」を考えていくと下のようなことに行き着きます。

  • シャンプーはいらない
  • 突発的に髪が切りたくなるから予約制がいらない
  • カットに時間を使いたくない

お客さんのメンタルアカウンティングをするとこのようなことが浮かんできます。このような考え方の流れがセグメントの根拠を示す「ターゲット」です。

このような顧客のニーズに応えて、大きくなっていったのが「QBハウス」です。

変数

このようなそれぞれの変数に基づいて、QBハウスはオフィス街に1店舗目を出しました。

ビジネスでは、市場はどこにあって、誰によって作られて、誰が満たしているのかこの3つを考えていくことが重要です。

ターゲティングのフレームワーク

ターゲットを考えていくときに便利な6Rというフレームワークがあります。

ターゲットフレームワーク

6Rといって6つの項目がありますが、特に重要な3つが市場規模、成長性、競合状況です。

今現在、そのサービスにお金を払う人は何人いるのか、そこに店舗を出して周りにオフィス街ができたり、タワーマンションかできたりなどの周辺環境に成長性はあるのか、ライバルはどこにどれだけいるのか、これらのようなことを分析していきます。

ターゲットフレームワーク

勝てる市場を選ぶためには、特に3つのRの分析が必要です。この6Rの原理でビジネスを考えていくと新規事業を行うときも、事業の軌道修正を行うときも論理的に効率よく「成功」に近づくことができます。

行き当たりばったりの消去法ではなく、分析に基づいたターゲティングはとても重要です。

ターゲティングによって成功したUSJ

皆さんもご存知のユニバーサルスタジオジャパンはこのターゲティングによって軌道修正を図り集客に成功したと言われています。

USJ

オープン当初の2001年、アトラクション人気に火がつき1000万人の来場者がいましたが、2009年には800万人と来場者は減っていってしまいます。

ここでユニバーサルスタジオジャパンはターゲットの見直しをはかって盛り返しに成功します。ターゲットの把握をして市場を変えたことによって軌道修正をしました。2016年にはその成果が十分に来場者数から見えます。

レジャー市場

ユニバーサルスタジオジャパンが含まれる大きなレジャー市場のなかのターゲットをテーマパークにしました。アトラクションパークをテーマパークにしたわけです。

USJ

今までは若者に焦点を当てていたアトラクションパークでした。そのため子連れのファミリー層は無視していました。しかし、結果飽きが早く若者は離れていってしまいます。

このターゲットの見直しに気づきファミリー層に変更しました。ファミリー層向けのテーマパークは家族で来るため、複数人の来場者が見込めて市場は大きくなります。また、関西圏に大きな競合テーマパークがありません。家族の中の意思決定者である「親」にアプローチすることで家族複数人での来場が見込めます。

USJ

なぜお客さんが減ったのかを分析して、ターゲットを若者からファミリー層に見直すことでテーマパーク市場に変更するべきだという方向性が見えます。

TSP

今までのビジネスの基本はSTPと言われるものでしたが、今はTSPの順序で考えていく必要があると言われています。消去法で成功を待つのではなく、効率的に直線的に成功に向かえるのはTSPの考え方です。

ターゲットを分析した後に市場を区切ってセグメントをして市場を定めましょう。

まとめ

・セグメントとは市場のそれぞれのニーズを区切ること
・ターゲットとはセグメントをさらに区切ることではない
・ターゲットとはセグメント選択のための要素集め

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