ビジネスで成功していくためには「時代を読む」ことはとても重要です。売りたいものを売るのではなく、時代に必要とされているものに目を向けていかなくてはいけません。
今回はそこで重要になってくるカスタマーサクセスというものを学んでいきます。
- 売れた価値より売った後の価値
- 比較時代だからこそ本業以外を本業にする必要がある
- 購入前ではなく購入後のアプローチが勝負
これら3つのポイントを中心にカスタマーサクセスを学んでいきましょう。
この記事から学べること ・購入させるのではなく体験させるビジネスの考え方 ・新規顧客とコストの関係性 ・コストを抑えながら事業を拡大させる方法 |
目次
所有する時代から体験する時代へ
今の時代、CDや車は売れなくなってきてると言われています。月額いくらかで音楽をダウンロードし放題というサービスがあったり、移動しなくても食事が取れるウーバーイーツなどのサービスも充実してきています。
ものを買わなくてもサービスを体験できるようになってきています。どんどんどんどん物が売れなくなってきている中で何かを「購入させる」という考え方のままではいけません。体験させるビジネスモデルを考えていく必要があります。
購入前のプロセスのことをワンタイムバリュー(OTV)と言い、これでは今の時代、物が売れません。購入後に重きをおくライフタイムバリュー(LTC)という考え方に切り替えていく必要があります。
OTVとLTVを考えていくと、コストのかけかたに決定的な違いがあること気づきます。OTVでは集客にコストを多くかけます。一方、LTVでは購入後の維持にお金をかけていきます。
これだけ顕著にコストの違いが出る両者なので、購入させることばかり考えてビジネスを続けていると、お金だけ無くなっていき最終的には倒産となってしまいます。
コストをリピーター獲得等にかけて、購入後に目を向けることがこれからのビジネスでは必須になっていきます。
新規顧客獲得はコスト5倍
なぜ購入前の施策、言い換えると新規顧客獲得に力を入れる必要がないのかはコストのかかりかたを考えていくと理解できます。
新規顧客獲得とリピーター獲得のコストのかかりかたを見ると、新規顧客を獲得するためにはリピーター獲得よりも5倍コストがかかると言われています。これを1:5の法則と言います。
このことから新規顧客からの利益は、コストをかけている量からすると低いので既存の顧客をどれだけリピートにつなげられるかが重要になってきます。
リピーター獲得のための維持費用にコストをかけていく必要があります。
ハードルが下がるサブスクモデル
もしあなたがダイエットのためにジムに行くとしたらどちらのジムに行きたいですか?
- 入会金3万円 6ヶ月のプラン
- 入会金無し 月々5000円のプラン
1つは入会金システム、もう1つは入会金無しで月々払いでいつでもやめられるというジムです。これはもちろん月々5000円のジムですよね。ジムに行くハードルが低いこちらを選ぶ人がほとんどだと思います。
これからも分かるように顧客獲得のためにはハードルを低くしてとにかく一度来店してもらうことが大切です。はじめは無料でも、とにかく来て体験してもらうことを優先した方が良いと言われています。
お金をかけずに顧客を増やして、その顧客のリピートのためにコストを使っていくことが大切です。まずは体験をさせる、サブスクモデルのビジネスだとハードルを下げて体験させることができます。
- 学校
- ジム
- ソフト
これら全てにもサブスクモデルの導入を視野に入れましょう。オンラインスクール、ジム、パソコンで使うソフト、入学金、入会金、購入費用がかかるショットモデルではいけません。ハードルを下げてすぐに始められるように月々払いの定額制での支払いが重要になります。
サブスクのようにリピートしやすいようなビジネスモデルのことをリテンションモデルといって、サブスクモデルとコンスタントモデルというものがあります。
コンスタントモデルとは、一定の支払いや購買は決まってはいないけど、アマゾンでのショッピングや課金制のゲームのようにコンスタントに支払いをしてしまうものです。リテンションモデルの肝は「どうしたらもう1度買いたい、体験したい」と思ってもらえるかを考えることです。
リテンションモデルにすることによって以下のメリットがあります。
- 顧客データを分析しやすい
- 商品改善に繋がる
- 付加価値提供できる
例えば、焼肉屋の牛角は月11000円で焼肉1ヶ月食べ放題というサービスをやっていました。また、ある焼肉屋では自分の肉として肉を買ってお店で熟成させらえるというサービスを売って、リピートをする仕組みを作っているそうです。時間が経って油が落ちて美味しくなる肉の仕組みを生かしてもう1度来なくてはいけない理由を作っています。
このようなアイデアを考えて「もう1度来る理由を作る」ためにコストをかけていきましょう。
MUPのリテンション
僕が入っているMUPカレッジもこのリテンションモデルによって拡大していったと言われています。
顧客がリピートさせるための大前提は、代わりのないものになることです。そこがベースの考えにあった上でどのようなやり方でMUPが拡大したのかを見ていきましょう。
- サービス設計
- データ収集
- サービス改善
- シェア獲得
- 新規事業継続
このような流れでサービスを作り、発展させていったと言われています。
サービス設計
サービスのアイデアが明確ではないときは、人に聞くのが一番早く一番コストがかかりません。MUPの場合、無料で講義を受けさせてそれに対してフィードバックをもらう。これによってどんな改善が必要かが簡単に分かります。サービスの形ができていきます。
データ収集
顧客やサービスのデータを収集するときも同じです。無料で配信、サービスを受けてもらうことで早くデータを取ることができます。MUPもマーケティングの事を配信しようと思っていたみたいですが、アンケートによって投資の事を知りたい人が多いということに気づいて、投資の授業も用意したそうです。アンケートによってデータ収集しましょう。
サービス改善・サービス完成
MUPができて利用してもらい始めてから、問い合わせや解約の蓄積によってどう改善していけば良いのかが分かってきます。そして要望や解約理由から改善し、サービスを改善へと近づけていきます。
新規事業継続
サービス完成によって、サービスを受けている人の顧客データが蓄積されていくと新しい事業にもつなげることができます。MUPの場合、20代独身、女性が4割、経営者層が多いというデータが取れたので婚活事業をやったら人が集まるんじゃないかというアイデアが浮かんでいるそうです。
顧客にもう一度来る理由を作らせる
MUPのオンラインの場合でのリテンションの例を見ていきしたが、これはオフラインでも同じです。頭を捻らせてリピートさせるための工夫していきましょう。
竹花さんのエステサロンでは、支払い体系をチャージ制にすることによってリテンションさせたそうです。
通常料金 | 10000円→割引2000円 |
代金 | 8000円 |
残高 | 2000円 |
チャージ残高制にして初めに10000円入金してもらった上で、初回2000円割引にしたとします。すると8000円の支払いで残高2000円となるので「残高あるしまた今度くるか!」という心理状態になるといいます。
これも人間の心理を理解するリテンションモデルです。
また、オーナー制モデルというものもあります。これはラウンジを作るときに一般の方に10000万づつ出資してもらうことで1人1人がそのラウンジのオーナーになるというモデルです。
出資 | 10000円 |
通常料金 | 12000円 |
オーナー料金 | 7000円 |
オーナーになった人は特別料金で利用することができます。数回利用しただけで元が取れる仕組みなので顧客にとっても良い仕組みです。
これによってオーナーが「自分のお店」として知り合いに紹介することによってコスト無しの口コミで集客することができます。そして知り合いのお店としてリピーターも増えるでしょう。
リピートさせるという観点から考えると来店客とどのように接するかが肝になってきます。顧客との関係を管理することが重要です。このスキルであるCRMについて学んでいきましょう。
顧客との関係値アップでスピード経営を
CRMとはCustomer Relationship Managementと言って顧客関係スキルのことです。OTVをLTVに持っていくということは顧客との関係値を上げるということでもあります。
OTVで商品やサービスを売ろうと考えているときは、販売数の多さに注目します。しかしこれでは、未来のどうなるかわからない売り上げを過去のデータから分析して考えることになります。そのためお店に入ってくるお金も把握できずに将来のための投資もできなくなってしまいます。スピード感のない経営になってしまいます。
一方LTVでは、販売数ではなく顧客との関係の深さに注目して考えていきます。運用管理に力を入れることで上記のリテンションモデルのように売り上げがだいたい見込めます。サブスクモデルだとわかりやすいですが、10000人が1000円を払っているなら来月の収入は1000万円となるのでそのお金をどう使おうかを事前に考えて準備することができます。LTVでは未来を考えて逆算して施策が取れるのでスピード感のある経営をすることができます。
コスト維持しながら事業拡大する
顧客との関係性を構築していくときに重要になってくることがコストです。関係性を高めていこうとすると、お客さんと仕事以外であって友好を深めよう、自分を知ってもらおうと考えて食事に行ったり飲みに行ったりしてしまいます。さらに、多くの顧客対応のために多くのスタッフも必要になってきます。
少数を対象としたサービスであれば、そこにコストをかけて顧客との関係性を高めていくべきです。しかし、顧客の拡大性がある場合、顧客が増えるにつれてコストが増大していってしまいます。そこでいかにコストを維持していくことを考えていかなければいけません。
コスト増大にならない関係性の構築のためには、仕組み化をすることです。MUPの場合を例にどんな流れの仕組みを作るのかを見ていきましょう。
- 人的対応
- カテゴリー分け
- フォーラム作成
- メール定型文
- 動画説明
- ステップ配信
大まかにはこのような流れで仕組みを作っていきます。
人的対応・カテゴリー分け
商品を売ったりサービスを配信し始めると、必ず顧客からの問い合わせが出てきます。初めはどんな質問が来るかわからないので、全て人が対応します。そしてその質問をまとめて、どんな質問が多いかをカテゴリー分けしてデータ化します。
フォーラム作成・メール定型文作成
カテゴリー分けした中で多くきた質問の答えのフォーラムを作ります。そして問い合わせがきたらその質問がどのカテゴリーのものなのかを判断して、それにあったフォーラムを送信します。メールで案内を送信するときの定型文も用意しておくと、対応が簡単かつスピーディーに行うことができます。これで多くの顧客対応も少人数で完了します。
動画説明・ステップ配信
そして動画の配信によってコンテンツを提供することによって、時間もコストも抑えることができます。動画は一度作ってしまえばその後は少しの修正くらいの労力、コストで済ませることができます。
また、1つの動画に情報を積み込みすぎると情報過多になってしまい、うまく理解してもらえなくなってしまうのでステップに分けて配信するようにしているそうです。
これら全てはコストはほとんどかかりません。対応人数が増えたとしても仕組みができていると人もコストもかけなくて済みます。これがコストをかけずに利益を確保していく1つのビジネスのモデルです。
まとめ
・物を売る戦略ではなくて、物を売った後の戦略を立てることが重要 |
・新規顧客獲得よりもリピーターを増やす施策にコストを使う |
・リテンションモデルで顧客との関係値を上げる方法を考える |