「自転車捨て場」で人は変わる!心理学と統計学でビジネスを操る【2学期week3】

時代の変化に伴ってマーケティングも変化していっています。ファッションに流行り廃りがあるようにマーケティングにも流行り廃り、変化があるのです。

ファッションの流行によってお客さんの欲しい服に変化が生まれて、その変化に対応するためにお店も変化していかなくてはいけません。変化に気づいてマーケティング手法も変えていく必要があります。

少し前の時代はチラシを配って広告をしていましたが、今はサポーターを作る時代です。そしてフレームワークがとても重要になってきます。時代の変化を感じながら、不変なフレームワークを駆使して効率よくマーケティングをしていきましょう。

今回は、マーケティングの変化の歴史から現状のマーケティング、そしてどんな対応をしていくのが良いのかを学んでいきたいと思います。

の記事から学べること
・マーケティングの歴史
・心理学と統計学な必要な理由
・マーケティングフレームワーク

マーケティングの歴史

現在のマーケティングを学ぶ前にこれまでの歴史を把握しておきましょう。

【1900年】物の値段を下げて売る

バネ

ものを多く売るために値段を下げるのが主流な時代でした。価格弾力性といってバネが価格だとしてバネを下に押して(価格を下げて)縮ませることによって大きな反発力で多く売れるという仕組みでした。

値段を下げれば売れるというシンプルな考えが1900年代です。しかし、価格を変えても販売数が大して変わらないというデータに気付き始める人が増えていきます。

価格

価格の違いがあるのに販売数が変わらなければ、当然高い値段で売った方が利益になります。このような気づきから、価格弾力性は間違っているのではないかという認識が増えていきました。

製品

1900年代始めはものをいくらで売るかという2Pの考え方でしたが、徐々に製品と価格が決まってそれをどこでどのように売るかまで考える4Pの考えが主流になってきました。

製品、価格、流通、広告宣伝の4つの軸が根付き始めました。

【1970年】一律生産からターゲット生産へ

技術の発展によって機械化が進み、大量生産によって物が人々に行き渡っていきました。ものがなかったので作れば売れるという時代が続いていました。

しかし、物が人々に行き渡った後では同じように同じものを生産していても売れません。同じ冷蔵庫を作るのではなく、機能が増えた使いやすい冷蔵庫を作る必要があります。

ターゲット生産

そこで商品を差別化して、ターゲットを定めるマーケティングが広がっていきます。同じものを大量に作るのではなく、必要なものを分析して作ることへ移行が始まります。このように一律生産の時代からターゲット生産の時代へと変わっていきました。

STP分析モデル

STP戦略

この時に生まれたのがSTP分析モデルです。セグメント、ターゲット、ポジショニングの3つに分けて顧客を分析して商品を売ろうとする分析モデルです。

セグメント

セグメントとは市場にニーズを明確に分けることです。美容院の場合、カットだけをしたい人、カラーをしたい人、トリートメントをしたい人など顧客のニーズは様々なので区切って考えます。

ターゲット

次にターゲットとはニーズの中の人を分けることです。カラーのニーズの中からさらに年齢や性別や所得などで分割してターゲットを考えていきます。

ポジション

最後にポジショニングとは、自分の店舗が市場ではどのポジションなのかを把握することです。

上の図のQBハウスの場合、カットだけの専門店で価格は低いです。そしてヘッドスパ専門店の場合専門性が高く、価格は高い分類ができます。そして美容室、ヘッドスパなどの「美容」全般のお店の場合、広範囲で価格は高いという分類になります。

このように1970年代ごろから自分の店舗と競合を比べるという概念が生まれてきました。

【2000年】ブランディングの時代へ

ものが溢れて人々が満足し始め、自分の「好み」がわかってきました。この辺りから「物」の差別化ではなく「印象」の差別化が重要視されていきます。

ブランディング

エコ商品や環境に配慮した物、ベジタリアン向けのレストランなど「人の趣味・趣向」が差別化対象になりました。このように価格や人のステータスでの差別化ではなく、ブランディングして付加価値をつける概念が広まっていきます。

【2010年】顧客が広告塔になる時代へ

2010年ごろから「広告」の概念が変わっていきます。お客さんが広告主となっていく時代です。

広告塔

今までの商品購入プロセスは、商品を認知して気に入って、どんなものを調査して、購入するという4つの流れでした。

しかし、2010年ごろから購入後にそれをお客さんが発信してくれる時代へとなっていきます。SNSの普及によってお客さんが勝手に商品を拡散してくれます。お客さんがお客さんを呼んでくれます。

ものが売るまでが勝負という考え方から、購入後のプロセスも考慮する時代へと変化していきます。インスタ映え・タグ付けなどの施策がお客さんを広告塔にさせるわけです。

【2020年】サポーターを作る時代へ

昨今からサポーターを作り時代へと変化しています。今まではお客さんの財布のお金を争っていましたが、今はお客さんの時間を奪い合います。

自社や自分の発信によって人柄や想いを知り「この人を応援したい!」「この人と仕事がしたい!」と賛同してくれる人とカフェを作ったり起業してりする事が当たり前になってきています。

この自分を簡単に知ってもらうツールとしてSNSは大きな存在になってきています。お客さんの賛同してもらい、その方達をサポーターにすることができるかが重要な時代です。

人はお金より時間の方が貴重なものだと言われています。その貴重な時間を自分に使ってくれる「サポーター」の存在はとても大きなものです。サポーターが会社や個人を強くする時代となっています。

どうしたら駐輪禁止区域から自転車が減る?

マーケティングとは「人間の理解」がとても重要です。その中でも心理学の理解はとても重要になってきます。

マーケティングの全てのプロセスは心理学によって作られ、その心理学から得られて統計によって施策を練っていく必要があります。感覚や感情で捉えて判断するのではなく、「数字」という真実、事実を追う必要があります。

心理学と統計学によってマーケティングは語られていきます。

例えば、駐輪禁止区域に自転車の駐輪が多く困っているとします。「駐輪禁止」という張り紙を貼っていても一向に自転車は減りません。この時、どのようなことをしたら自転車は減っていくのでしょうか。

駐輪場

例えば「自転車捨て場」と張り紙の文言を変えたとします。すると自転車の駐輪はみるみる減っていきます。

心理学的に人は「自転車捨て場」と表記されることで「ここに置いたら捨てられてしまう」という思いになり、駐輪をできなくなるそうです。このように、人の心理を理解して施策を考えていきます。また、張り紙の文言を変える前と変える後で駐輪数にどのような変化があるのかを集計します。そのそれぞれの駐輪数を数字で分析して、どのような効果があったのかを考えていきます。

このような考え方がマーケティングでは重要です。心理学と統計学です。

マーケティングフレームワークを覚えよう!

心理学と統計学からマーケティングを考えていくということですが、1つ1つに事例によって分析をするのは簡単なことではありません。

そこで、心理学と統計学によって作られたフレームワークを活用していきましょう。フレームワークの活用の例として、人の購買までのプロセスをオンラインとオフラインで考えていきます。

オフラインの購買プロセスとAIDMA

オフラインの場合「AIDMAの法則」を使っていきます。

AIDMA

オフラインの場合、【広告に気づく 興味がわく 欲しくなる 記憶する 購買する】の5つのプロセスを経て人は購入へといっています。

広告

この流れを理解した上で道端で配布しているチラシを作ります。上記の2つのチラシはどちらの方が良い例でしょうか。

AIDMA

右のチラシがAIDMAの法則に従って作られたものです。心理行動と視線行動の法則というものがあって、人はZの文字をなぞるように視線をうつすことがわかっています。

このことを理解した上でチラシ作りをすると購買のアクションへとつながる確率は高まります。広告の戦略も心理学と統計学が必要です。

オンラインの購買プロセスとAISCEAS

オンラインの場合「AISCEASの法則」を使っていきます。

AISCEAS

オンラインの場合、【広告に気づく 興味がわく 探す 比較 検討 購買 共有】の7つのプロセスを経て人は購入へといっています。

この流れを理解した上で、美容室のオーナーの例で考えていきます。オンラインで集客をするためにSEO対策に力を入れていきます。

比較ホームページ

はじめにSNSでお店の認知がされて興味を持ち、グーグルなどで検索され、検索順位の上位でHPを見つけられるこの流れを目標としています。しかしここでポイントなのは、検索順位のトップに表示されるのは自社のHPではなく、自社の比較サイトが望ましいということです。

このAISCEASの中で「比較」がとても重要な部分になります。比較のプロセスを飛ばして自社にたどり着いたとしても、お客さんは自社を魅力に感じません。比較が入ってからこそ効率的で効果的な集客ができるのです。

SEO

比較サイトを自分で作ってそのサイトをSEOで上位表示させることで、比較へと導くことは可能です。第三者の比較が検討材料になるのでは比較サイトも作りましょう。比較して、それで自社が良いと思われた方が来店や購買のアクションへとつながる可能性が高まります。

広告・集客のSEO対策は、自社HPと比較サイトを作ることが必要です。自作自演ですが、効率的な集客はできると言われています。

まとめ

・マーケティングは時代によって変化していく
・価格を安くする以外にマーケティングが必要
・マーケティングは統計学であり、フレームワークは統計的に作られている。

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