ビジネスモデルという言葉はよく耳にしますが、人に説明することはできるでしょうか?
意外とできない人が多いと竹花さんは言います。自身のビジネスモデルを仲間に説明できないで事業は進みません。投資家からもお金を集められません。
ビジネスモデルがはっきりしていないと何もできないのです。今よりも売り上げを上げていきたい!新規事業を始めたい!と思う人は必ずもう一度ビジネスモデルについて考えることが必要です。
目次
ビジネスモデルとは
ビジネスモデルとは、経済的に自由に最短でなる方法です。1円もない状態から1000万、1億とお金を生み出していくことです。
考えてみてください。
1万円札をいくらで買いますか?と言われたら当然1万円ですよね?
では、毎月100万円プリントしてくれるプリンターはいくらで買いますか?100万円では買えないと思います。1年間で1200万円プリントしてくれるので1200万円かそれ以上で買う必要があります。
銀行においてある100万のお金は、100万円の価値でしかありません。
しかし、それを事業や事業のアイデアに変えた時に毎月100万円生み出すものに変わります。
最短でお金持ちになるためにどんなプリンターを作って使っていくかがビジネスモデルなのです。
ビジネスモデルの作り方
プリンターを作る考え方は4つだけです。誰に何をどのように提供してどう儲けるかです。
サービスや商品に対して、お客さんからのお金で対価を得るという考え方が一般的ですが、相手から対価を得るという他に、広告主から対価をもらうというモデルもあります。
儲け方には様々な方法があることを把握しておきましょう。
誰に売るか
商品やサービスを売るときに、どの年代のどの層にターゲットを絞って施策をうっていこうかと考えがちですが、実はこれは必要ありません。
ターゲットではなくいくら払える人に買ってもらうかを考える必要があります。
これ以外は考える必要はありません。男性だろうが女性だろうが売れればいいのです。
また、モノやサービスをいくらで売るか考えるときに
顧客単価=市場価値という考え方では絶対に成功しません。
一杯のコーヒーを500円で売っている限り成功はしないのです。「どのお店もだいたい500円くらいで売っているからうちも500円でいいんじゃない?」では、ビジネスモデルは成り立たないのです。
固定変動算出
コストには大きく2種類あって、固定費と変動費があります。変動費は売上に左右され、固定費はずっと変わりません。
ここでこの考え方をグラフ化していつでも頭に浮かぶようにしておく必要があります。
カフェを例に変動費と固定費を見てみます。下のようなカフェがあったとして次にPPCの算出をしていきます。
PPCの算出
顧客1人のあたりの売上、顧客1人あたりの費用がそれぞれ分かったら、顧客一人あたりの利益を出していきます。一番重要なのはPPCです。利益がいくら残るかです。
カフェの例で考えてみると、
コーヒー1杯で
- SPC 500円
- CPC 50円
- PPC 450円
コーヒー1杯でいくら儲かるかが分かったら次にBePを考えていきます。
BePの可視化
BePとは、Break even point とという意味です。利益分岐点です。
売上−コストがマイナスになったら赤字、プラスになったら黒字です。赤字と黒字の境い目がBePです。
では、先ほどの珈琲屋の場合、1杯で利益450円でるコーヒーを何杯売ったら月の固定費をまかなえるでしょうか。
月の固定費をPPCで割ります。150万円÷450円で3333杯となります。
3333杯売れないと赤字となってしまうのです。
ここで、大体の人はあといくら売上をあげたら今月は黒字!と考えてしまうと思いますが、あといくら売れたかではなくて、あと何杯売れたら黒字になるかを考えなくてはいけません。
売上−コストでBePがわかります。
ここで考えなくてはいけないのが月に3333杯を果たして売ることができるかということです。かなり難しい目標だと思われます。
何杯売らなくてはいけないという具体的なイメージを持つにはBePの考え方は不可欠です。
利益で見るのではなく行動で適正価格を判断していくことが重要です。
価格と個数の調整
3333杯は不可能な数字とわかったら、単価と個数を考えていく必要があります。
ビジネスで打ち出す施策、どう改善していくか考えるときには、いくらにするかと何個売るかが軸の考えとなっていきます。単価と個数に対して、どうやったら値上げできるか、どうやったらもっと売れるかに対してだけ施策を考えていきます。
施策の種類は、個数をあげる、単価を上げる、どっちもあげるの3種類です。
ここで気をつけないといけないのが、価格を下げて個数をあげることはしてはいけないことです。価格競争に巻き込まれるとアリ地獄に巻き込まれて潰れてしまいます。個数が売れると人件費が上がって固定費がかさみ赤字になってしまうからです。
松屋やユニクロが価格を下げてもビジネスが成り立つのは裏技があるからなのです。その裏技を知らないで単純に真似をしてはいけません。
なので、単価を上げるか、単価を上げつつ個数をあげるかを考えていきます。
施策の選定
ここが具体的にどのような戦略で売っていくかのところになります。価格と個数の調整の施策をどうやっていくか見ていきましょう。
コスト戦略は、低価格で広いターゲットを狙っていきますが、この戦略では絶対に勝てないです。
低価格でシンプルなデザインで広い層を狙ったユニクロはユニクロだからあの価格で勝負できています。ユニクロの配送、物流の仕組みには勝てません。
また、大手のすしざんまいが低価格で広いターゲットを狙えるのは、スリランカの海賊を持っているからです。だから安くても成り立ちます。
ソマリア海峡の海賊に船と魚を保管する倉庫を与えているから、安くて良いクオリティで提供できています。
このような仕組みを作れますか?作れたとしても時間がかなりかかりますよね。
大企業には製造と流通に強みがあるからあの価格で勝負ができます。だから、大企業でなければこの土俵で戦っても勝ち目はないのです。
差別化戦略では、品質やデザイン性で広い層を狙っていきますが、この戦略でも勝てません。
コスト戦略のユニクロに対して、ZARAはそれほど安くはないけど、デザイン重視でおしゃれな層を狙って自社でデザインして自社で販売しています。
これは自社でデザインして自社で販売しているからこそできるビジネスモデルです。ここもZARAだから成り立っていて真似はできません。
では、どこを狙っていけばいいのでしょう。それは集中戦略です。
集中戦略には、2種類あります。
1つ目は、低価格で狭いターゲットを狙います。この価格の下げ方は原価と利益を維持できる構造があるので良い値下げの仕方です。利益率が大体50%を維持できていると良いと言われています。これを下回ってしまうと生き残っていけないと言われています。
もう1つは、特異性で狭いターゲットを狙います。価格は安くはないんだけど、これだから高いんだよという商品を売ります。高級ブランドやオーダーメイド、コラボ商品です。
狙いを集中してこれだから安い、これだから高いを作っていき個数と単価の設定をしていきます。
施策選定スキル
施策を選定していく時には、
- 顧客の比較対象
- 自社サービスのUSP
この2つを把握することが必要です。
顧客の比較対象を把握
駅から降りて家までの帰り道。コンビニの方が家に近いから、牛乳がスーパーより高いことがわかっててもコンビニで買ってしまうことはよくあることだと思います。
これは1つのコンビニの戦略です。この時牛乳を買ったのではなくて時間を買ったのです。
コンビニは便利を売り、価格ではなくて便利さで勝負をしています。
自社サービスのUSPを把握
カフェを選ぶ時にコーヒーが美味しいからその珈琲屋を選んでいますか?コーヒーを買っているように見えて、実は空間を買っているのです。ソファ席があってコンセントがあってゆったり作業ができる。そのための空間を買っているのです。
コーヒーの相場は500円が普通だから500円で売ろう!と、コーヒー市場価値を見るのではなく客が何を求めているかを考えなくてはいけません。
コンセントがあるカフェが近くのエリアにないのなら、単価を上げてコンセントをつければいいのです。コーヒーではなく空間を売るのです。
そしてここを把握するために必要な考え方がUSP(Unique selling point)です。
お客さんのニーズを把握するために、コーヒーを求めているのか?美容室では髪を切ることを求めているのか?と一度疑ってみます。
競合と自社の強みを出したら、被っているところは完全無視します。被っているところで戦おうとしても勝てません。被っていない自社の強みを押し出して勝負していきます。
ドミノピザでは、USPでスピード戦略をとっています。
味よりもデリバリーの早さを求めている顧客に向けて施策をうっています。これも集中戦略です。
カフェをやるとしたら、顧客が求めているサイズと簡単さ、持ち帰りができるところに集中して施策をうっていきます。
USPがわかっていると集中戦略の施策が打ち出せて競合に挑んでいくことができます。
まとめ
・経済的に最短で自由になるためにお金のプリンターを作る |
・固定費とPPCからBePの把握をする |
・黒字にするための商品の価格と個数を設定する |
・集中戦略で狭い層を狙う |
・顧客の比較対象から自社のUSPを把握 |
・競合の強みと被るところは無視して独自の強みで勝負する |
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