債券・投資信託・ヘッジファンド・株式投資とリスクの低い投資から順に学んできました。各投資の良いところ悪いところを理解して自分のライフスタイルに合う投資も判断できてきました。
今回、経済投資の最終回では「デリバティブ」を学んでいきます。デリバティブとは最先端の投資です。先物・オプション・スワップなどの種類があります。
デリバティブは、投資の中ではリスクが高いものなので、知識がない人は高い確率で負けてしうと言われています。投資のプロたちがひしめく世界なので搾取されて終わってしまいます。
しっかりと学んで知識をつけた上でチャレンジしてみましょう。
この記事から学べること ・先物取引 ・オプション取引 ・スワップ取引 |
先物
先物とは、予約券の売買をする投資です。
例えば、リンゴを1年後に買える予約券を農家が発行するとします。りんごの価格は収穫量によって変化します。なので、1年前にはその年が豊作か不作かは誰にもわかりません。
この1年後に誰かに買ってもらえるという保証をファンドや保険会社が請け負って、証券会社に証券化させます。その証券を投資家たちが購入して、1年後のリンゴの値段に注目するという仕組みです。
この先物取引では、予約券を売る側と買う側にはこのようなリスクがあります。ファンド、保険会社、証券会社にはリスクはありません。手数料で成り立っていると言うのは以前に勉強しましたね。
予約券を取引するときのりんごの価格が100円だったとします。農家は1年後は豊作だからりんご1つ50円になるのではないかと予想しています。そこで1つ100円の予約券を発行しようと考えています。
りんごの予約券を100円で買った投資家たちは1年後に50円になっていたら損をして、120円になっていたら得をします。
この予約券の売り手と買い手の勝負が先物取引です。
先物取引には以下のようなものがあります。
- 株式指数先物取引
- 金利先物取引
- 債券先物取引
- 通過先物取引
- 商品先物取引
- 排出権先物取引
- 電力先物取引
オプション
オプションとは、先物取引の予約券に権利がついたものです。
りんご1つ100円の予約券を10円で買える権利がついたものです。仮に1年後のりんご値段が50円になって予約券では損をしてしまうとなった時にはこの予約を放棄する事ができます。10円は損をしますが、取引に負けた場合でも権利料分しか損はでません。
なので、オプション取引を言い換えると自分が得をするときだけ売買を行える、自分が負けないための保険付き先物取引です。
- 先物取引=売買予約(キャンセル不可)
- オプション取引=売買権利(キャンセル自由)
オプションには2種類あって、コールオプションとプットオプションがあります。売る権利と買う権利です
コールオプション
コールオプションとは買う権利のことです。
リンゴを100円で買える予約券を権利料10円で買ったとしましょう。1年後に150円になっていたら、権利を使って買うと得をする事ができます。もし1年後に50円に下がっていたら権利を放棄して、損を10円で済ませる事ができます。
プットオプション
プットオプションとは売る権利のことです。
リンゴを100円で売れる予約券を権利料10円で買ったとしましょう。1年後に50円になっていたら、権利を使って売ると得をする事ができます。もし1年後に150円に上がっていたら権利を放棄して、損を10円で済ませる事ができます。
スワップ
スワップとは、言葉の通り交換することです。
このスワップ取引は個人にはあまり関係ないことであって、企業などが行うものなので参考程度に学んでおきましょう。
借金100億円を抱える会社が2つあります。A社は変動金利5%(今年)でB社は固定金利5%です。
変動金利のA社は毎年金利が下がるかもしれないし上がるかもしれません。一方B社は毎年一定の金利なので5億円ずつ支払っていくことになります。
ここでA社はこの先金利が上がっていくだろうと予測し、B社はこの先金利が下がっていくだろうと予測したとします。お互いにとって今の自社の金利だはこの先損をしてしまうだろうと考えます。
両者の思惑が一致したので、ここでスワップ(交換)することをスワップ取引と言います。
スワップ取引には以下のようなものがあります。
- 金利スワップ
- 通貨スワップ
- クーポンスワップ
- エクイティスワップ
- コモディティスワップ
まとめ
・先物取引とは、キャンセル不可能な売買予約 |
・オプション取引とは、先物取引にキャンセル可能な売買権利付の取引 |
・スワップ取引とは企業同士が金利などを双方の思惑の一致によりスワップする取引 |