ビジネスにおいて、仕組み化というものはとても重要です。マクドナルドがテキサスの1店舗目から世界中に広がっていったのも、大手会社のクライアントが数千社、数万社に増えていくのも全て仕組みができているからです。
仕組み化というのは「事業スピードと収益性を保ったまま事業の拡大を行うための方法」です。簡単にいうと「人やお金がいらなくなる仕組み」です。仕事を効率化する仕組み化が1店舗から数万店舗、1円から1億円と事業を拡大していくための最低条件となります。
収益性のスピードと人数の関係を表したグラフを見てみると、仕組み化がされていない会社は、1人あたりが生み出せる収益が人数が増えてくにつれて減っていってしまい、更に収益が出るスピードも落ちていってしまいます。
しかし、仕組み化ができている会社は収益性のスピードを保ったまま人数が増えていくにつれて収益を増やしていくことができます。
仕組み化ができていると、必要以上の労働者はいらなくなるのでコストも抑えられて、経営状態がどんどん良くなっていきます。
目次
モチベーションケアは不要
経営者にとって経営をしていくときに、一番頭を悩ませると言われているものは、社員のモチベーションのケアです。人は誰しもやる気が出ないときが必ずあります。そんな社員が会社にいるときに、どうやってその人を働かせるかが重要になります。
しかし、モチベーションとは、自分でもコントロールできないもので他人の心なんてものはどうしようもありません。部下を飲みにつれていって「お前は有能で将来楽しみだな!期待しているよ!」といって一時的に仕事に対するモチベーションが上がっても、次の日に恋人に振られて落ち込みながら仕事に来ては、モチベーションをあげた意味がありません。モチベーションをあげよう!と考えることは全くの無意味なのです。
※week4でもモチベーションについての学びをしました。(詳しくはこちら)
そして、ここでも重要になってくるのが「仕組み化」です。
モチベーションがあろうがなかろうが、その人に最高のパフォーマンスを出させるのためには「マニュアル化とタスク化の徹底」です。
仕事をステップに分けてタスクを分担して作業を行なっていくマニュアルを作ります。このようにすれば、やるべき時が来たらそのマニュアル通りに仕事をこなしていくだけです。疲れていても落ち込んでいてもやることは決まっています。
コンビニのおばちゃんを考えてみてください。どんな日でも必ず品出しをしたり、レジ打ちをしていますよね。タスク化マニュアル化ができていれば、その業務をすることにモチベーションは必要ないのです。
このタスク化とマニュアル化の徹底がとても重要です。どんな業務でもこれを徹底です。
いつも「もし1000人だったら?」
タスク化とマニュアル化を徹底していくときには、常に「これが1000人の顧客相手だったら?」と考えることが必要です。
1人にサービスを提供することは簡単です。しかし、これを続けていると時間ばかり取られて事業や会社が大きくなっていきません。どんなに個人的な付き合いがあってもお得意様でも、個人個人に特別対応をしてはいけないのです。
どんな事業を行うにしても、この「1000人だったら?」というマインドが重要です。
例えば、メール1000件を1人1人に返信していたらどれだけ時間を取られるでしょうか?このようなときには、定型文を作っておいてそれを選択するだけで返信ができるようにしておきます。
このときに、定型文だけでは作業感か出て人間味を欠いてしまうので、「定型文+ハッピークロージング」で最後に「暑くなった来ましたが体調にはお気をつけてお過ごしください」「何かあったらいつでも連絡くださいね」などの一言を添えることが必要です。
また、PDFやパワポの資料を送るときに一回一回、新しいものができるたびにメールを送っていては非効率です。フォーラムで全てをURL化することによって、新しいものができたら更新するだけで誰でもアクセスすることができるので、これも効率化するための1つのやり方です。
トップ営業マンを作らない
営業においても仕組み化をして効率化を徹底していきます。
ヒアリングシートや実際に会ってから話す内容や順番、提案方法などのフレームワークを全て準備して、それにしたがって準備をして実践するだけの仕組み化をします。この方法だと、営業を誰がやっても結果はほぼ同じになります。
このようなフレームワークをもとに営業が進められる仕組み化が大切です。
会社としてこのようなマニュアルがあると、誰でも平均的に契約を持ってくることができるのでトップ営業マンがいるよりも契約件数は増えるのです。
※week7で営業スキルについて学びました(詳しくはこちらから)
効率化の徹底を考えていくと、営業もオンラインで行う方が効率です。今の時代Skypeやzoomを使ったオンライン営業も増えています。営業のためのアポを取るのは時間がかかるし、予定が合わないと実現しないものです。やっと予定が合わせられたと思っても、それが契約に繋がるかはわかりません。それまでに使う労力と時間を考えるとオンラインの方が断然効率的です。
skypeやzoomでも日時を合わせる必要があるため、竹花さんの会社では、営業の提案等の動画を送って、時間があるときに見てもらい「わからないことや興味がありましたら連絡をください!」と言うそうです。
これによって「そんなやり方で営業はないだろ!」と言ってくる会社は遅れているから無視をして、とにかく取引する相手を選ばずに効率だけを徹底していくそうです。
個人のマネージメントも仕組み化
まず、企業(組織)というものは、社会貢献するために存在しています。その企業を成り立たせているのは個人(労働者)で組織を成り立たせるためのタスクを様々な方法や志を持って行い、その個人に対して企業は報酬や地位を与えます。
このように組織が成り立っている中で、その組織の舵取りになる経営者は個人のマネージメントをすることが重要です。言いかたは悪いですが、どのように働かせられるかが重要なのです。
それぞれが仕事のタスクをやっていくときに、その仕事に対しての心構えや勤務態度は1人1人みんな違います。
例えば、Aさんは出社はしないけど成果は申し分なく残している、Bさんは出社しないと寝てしまうので毎日出社する、のように全員同じではありません。
だからこそ全員に同一のマネージメントをしていてはいけないのです。1人1人に適している方法をとる必要があります。ここでも、組織を成り立たすために最大限力を発揮してもらうための仕組み化をしていきます。
人を働く目的別に3種類に分けて考えて、それぞれにあった接し方をしていきます。
安定目的
- 給料が高くなくやりがいもそこまで感じられなくても安定の方が大事
- バックオフィス系の職種に多い
- 子供がいたり家庭を持っている人が多い
- この成果が出せたら給料上がるよと言っても無駄
- 社会保障がしっかりしていることが魅力的
- このタスクさえやれば給料が保証されているよと言うと引き受けてくれる
金銭目的
- 成果を出した後のお金が見えていると頑張れる人たち
- 営業や成果報酬型の仕事の人に多い
- 社会保障が手厚くて毎月この額は保証するよと言っても無駄
- この成果が出せたらインセンティブを出すよというと頑張る
- お金をモチベーションに働いている人
自由目的
- いくらお金をもらおうが自分のやりたいことができなければ辞める
- エンジニアやプログラマーに多い
- 給料はいくらでもあげるからという文句で頼んでも無意味
- 給料はそれほど高くなくても自分のペースで好きなことをやりたい
- 得意な分野に関しては質の高い仕事をする
全員がこれに当てはまるわけではないですが、このような考え方でマネージメントをしていきます。そうすることで「個人」の力を最大限に発揮してもらうことができて、結果的にそれが組織の繁栄に繋がり、それが社会貢献へとつながっていきます。
まとめ
モチベーションやパフォーマンスに左右されない経営ができているということは、人に依存していない経営ができているということです。
人に依存していないということは常に同じスピード、同じ質の仕事を続けていけるということで圧倒的に事業の拡大スピードは上がります。
どんなことにも徹底した仕組み化を導入して効率よく経営を進めていきましょう。
・仕組み化を徹底して事業を急速に拡大していく |
・モチベーションケアは無意味 |
・常に対1000人だったらどうするのかを意識して物事を考える |
・営業も仕組み化をする。トップ営業マンを作らない |
・人は3種類に分かれるから、それぞれにあったマネージメントを心がける |