世の中には、人々が抱えている沢山の「不」が存在しています。不安、不満、不経済的、不平等的、不利益・・・。
そして、私たちはその「不」に対してお金を払って解決しています。飛行機だって「早く移動したい!」という不満から発明されたものでしょう。今世の中に当たり前に存在しているサービスや商売も始めは、誰かが感じた「不」から始まっているのです。
ビジネスを始めたいと思ったら、まずは世の中に転がっている「不」を見つけることが大切です。ビジネスチャンスはどこにでもあります。
サービスを受ける側だけではなく、与える側になれたら沢山の人を救うことができ、そこにはもちろん対価としての「お金」が生まれてきます。
月に30万、40万円の給料から少しずつ貯金をしていったとしても経済的な幸福感は一生訪れないと言われている中、その貯金を投資してサービスを作って300万、3000万と大きくしていくことは可能です。
その方法を竹花さんの体験談をもとに学んでいきたいと思います。
今回この記事で学べること ・ビジネスチャンスの見つけ方 ・サービスの作り方 ・儲かったお金をどう運用していくか |
目次
「不」を見つける
竹花さんがフィリピンの駐在員として滞在している時、タクシーに乗って移動している時に街並みを見てこう思ったそうです。
- 「広告看板が多いな」
更に、当時日本での事業の調査の一環としてフィリピンの病院に訪れた時にはこのような事を感じたそうです。
- 「待ち時間が長い」
- 「病院が綺麗」
- 「高級車が乗りつける」
これらの気づきは、誰もが見たら感じる事実です。しかし、ここでその事実からWhy?を掘り下げて更に考えてみます。ここが「不」を見つけてビジネスチャンスにするポイントです。
・広告看板が多い →企業が広告費を払っている →無駄な広告費だな(不経済的) |
・待ち時間が長い →待ち時間をうまく使えないかな →待ち時間でイライラする(不満) |
・病院が綺麗・高級車が乗りつける →保険制度が整っていないからお金持ちしか来れないんだよな →貧乏な人が多いのにな(不平等的) |
このような事が考えられます。見える事実だけでなくそこから掘り下げて裏側の真実を考えましょう。竹花さんはこれをリバースファクトと呼んでいます。
「不」からサービスを作る
これらのリバースファクトから「病院内に広告看板を出す」サービスを作りました。
病院内に広告看板を出すことによって、屋外に看板広告を出している企業に対して次のような事が提供できると考えました。
- 宣伝効果の効率化
- コスト削減
- ブランディングアップ
宣伝効果の効率化
自分の必要なターゲットにのみリーチができる
マスメディアというのは、100人いたら100人全員に届くようにする発信方法です。ターゲットになるのはその中の1部だとしても多くの人にリーチします。
しかし、広告費というのはリーチ数に応じて発生するものなので、企業は全員にリーチした分の広告費を払っています。これはかなり非効率だと言えます。
テレビや看板などの広告が高い理由は、多くの人にリーチができるからです。
ここで、お金持ちに対してダイレクトでリーチができる病院に目を向けました。
お金持ちに対してサービスや商品を販売したい企業は、広告費を抑えてダイレクトで必要な人にリーチができるので、とても効率的です。
View Timeの確保
看板広告と病院内での広告を比べると、広告を見る時間に大きな差があります。広告は、見る時間が長ければ長いほど、教育的な広告になります。
車に乗っている時に、街にある広告看板を目にしたとしても5秒ほどしか見る事ができません。その時間で読み取れる情報はせいぜい会社名くらいです。これでは良い教育ができたとは言えません。
しかし、病院では待ち時間も長いのでゆっくりと広告を目にすることができます。フィリピンではネット回線が日本ほど安定的ではないので、本などを読む人が多いそうです。なので、そこに冊子のような形で広告を置いておけば、読んでもらえる機会を作り、効率的な教育広告ができます。
コスト削減
コストの削減でも企業に大きな貢献をする事ができます。
スタートのリーチ数は圧倒的に屋外看板の方が多いですが、実際に広告を見て、その人たちの中で商品・サービスを買いそうなセグメント数は、ほとんど同じです。病院内の広告費は半分以下ですが、効果は同じくらいだと考える事ができます。
ブランディングアップ
病院に置く事で広告看板よりもブランディングアップすることができます。
例えば、病院にレッドブルーやポカリが置いてあると、エナジードリンクスポーツ飲料のイメージに加えて「ヘルシーなものなのかな?」とイメージを持たせることができます。ドクターのイメージや印象を使ってその商品のブランディングをアップさせることができるのです。
ドクターシーラボやドクターペッパーもこのようなドクターのイメージ、印象を使って商品のブランディングアップをさせています。
病院に置くことで健康的なイメージを持たせ、信頼感を持たせることができます。
事業を成功させるための戦略
病院の一部のスペースを買って、そのスペースを企業に貸して広告費をもらうという仲介サービスの事業を成功させるための戦略は以下の3つだったと言います。
- 無在庫商法
- 独占契約
- 競合排他
無在庫商法
病院にここのスペースを売ってくださいとお願いする時に、「僕らもここを企業に売るので、売れた時点でその一部を病院に入れます」と言ってスペースの在庫を所持しないような契約をします。病院側もポスター1、2枚貼るだけのスペースだし、仲介側もコストをかけずにやりとりができるので、この商法をとります。
独占契約、競合排他
自分達以外にはここのスペースを貸さない契約にすることでフィリピンの多くの病院を独占できたそうです。病院側は勝手にお金が入ってくるので独占契約だろうと納得してくれます。
そして、そのスペースを企業に売る時にも年間契約をして独占します。年間での契約をすることによって経営も安定し、さらに同じような事をしようとした競合も入る隙がなくなります。
病院も企業も独占することで、事業を安定させることができます。
事業を始める時のポイント
竹花さんがフィリピンで0からサービスを立ち上げた背景と過程、戦略を紹介させていただきました。
そこで事業を始めるときのポイントを3つにまとめてみます。
- 新しいものは探すな
- ターゲット層は絞るな
- ビジネスの種はどこにでもある
新しいものは探すな
今の時代、新しい大発明は生まれないと言われています。今までに出てきた情報と情報が組み合わさって「進化」した状態で新たなサービスやものが生まれていきます。
例えば、TSUTAYAとスターバックスが併設されているのも掛け合わせです。書店に置いてある本をコーヒーを飲みながら読むことができます。2つが組み合わさって進化した形で顧客に提供されています。
このようなサービスとサービスの間でより良いものが生まれたり、情報と情報の掛け合わせで機会が生まれます。
ターゲット層を絞るな
竹花さんのフィリピンでの仲介サービスの業界でトップクライアントはどの業種でしょうか。
- 製薬業界
- 不動産業界
- アパレル業界
- フード業界
この4つを考えたときに、製薬業界だと考える人がほとんどだと思います。しかし、実際の順位はこのようになるのです。
- 不動産PR
- 車メーカー
- 健康器具
不動産PRは、よくショッピングモールなどでブースを設置してやっているものですが、人も時間もコストもかかります。車メーカーも高級車は高所得の人が買うので、どちらも病院に広告を出すことは効率的です。
このようにイメージでターゲットを絞ると機会を損失してしまうのです。
ニッチ戦略とターゲットを絞るの違い
ニッチ戦略とは、自分ができる範囲のコストでターゲットの中のできる限りのマスを取ること。ターゲットを絞るとは、男性、女性、年代、職業のように考えることです。
居酒屋を開いて集客をするときに、顧客のニーズに応えようとして様々なお酒を用意しようとします。しかし、そうすることでコストが跳ね上がります。
ここでやるのが、ニッチ戦略です。カクテル専門店のように自分のできる最低のコストの中でカクテルだけを取り扱います。広いお酒好きのターゲットの中のカクテルで取れる最大のマスを取っていきます。この考え方がニッチ戦略です。
それに対して、男性に向けて、女性に向けて、と自分からターゲットを絞ってしまうことでどんどんマスが小さくなっていってしまいます。
ターゲットを絞ろうとすることで勝手に機会を損失してしまうことがあるので注意が必要です。
まとめ
世の中には、石ころ以上にビジネスチャンスは広がっています。「不」に敏感になりリバースファクトを見つけましょう。どんなサービスもその発見から始まっています。
・世の中の「不」にはたくさんのビジネスチャンスがある |
・「不」を解決するところにお金は生まれる |
・新しいものは探さない。情報と情報の組み合わせで新たなものが生まれる |
・ターゲット層を絞り機会を損失しない |